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第3回 滄溟会と水産大学校運営委員会との懇話会の実施報告


 滄溟会理事有志と水産大学校運営委員会メンバーとの間で行われた、今年で3回目となる懇話会について、話された内容などの概略について報告します。 なお、以下の本文ではですます調をとらないことをお許しください。

1. 実施日時と参加者

 参加者は、滄溟会理事有志(以下単に有志と記す)が15名と、運営会議メンバー(以下単に運営会議と略す)から理事長を始めとして8名、全部で23名が参加した。日時、参加者等の詳細は以下の通りである。
○開催日時:2010年6月20日 10:00〜12:20、国際交流会館2F大研修室
○出席者
  運営会議側:鷲尾理事長、淀江理事、山元校長、前田学生部長、中里企画情報部長、江副海洋機械工学科長、
        酒井生物生産学科長、中岡水産学研究科長以上8名。 なお濱野海洋生産管理学科長は副会長として
        滄溟会側でカウント。
  滄溟会側 :葵会長G7、厚田副会長K17、濱野副会長G22、濱崎Z15・田村G22・亀山Z14(渡辺理事代理)(関東地区)、
        岩田K14(東海地区)、佐野Z1(関西地区)、川原Z33(中国・四国地区)、織田G14・小野S24(山口地区)、
        志賀S8(大分支部有志)、貞包G16・池田S33・板倉G31(会務)以上15名、合計23名出席。

2. 懇談された話題について

1)先般行われたいわゆる「事業仕分」について 
(滄溟)
 事業仕分(以下単に仕分と記す)の結果に対する水大の評価等について説明を求めた。
(理事長)
 今回の仕分では専攻科を中心とした文科省系大学との統合を含めたより効率的な運営を検討するよう求められはしたが、水大自体の存立意義は認められた、と理解している。
 その根拠は、入学定員の充足率、入試倍率、それに卒業予定者の就職率などの高さといった客観的事実であり、これによって水大の存立意義が評価されたものであるので、安易な期待などではないことを強調したい。 また、専攻科についても、水大が養成する海技士は、商船大など他の海技士養成機関と異なり、水産業を理解した「水産系海技士」の養成であるところと、その必要性が認められたものと評価している。
ただ、今後水大校の存立意義を一層高めることが必要であり、その為には効率的運営の確立が重要であることから現在、最適な運営を図れる方策を鋭意検討ししている。 例えば、学内では各学科の講座数を3講座から講座に再編したり、教員にはより多くの業績を求めることで、教育と研究の効率性向上を図っている。 また、学外に対しては効率的運営を可能とする連携や協力形態の模索を行っている。 総じて、OBの方々には、水大はさらに今後どう生き残るか考えているところと認識していただければと思う。

(2)効率的運営について
(滄溟)
 耕洋丸などの大型練習船の維持、あるいは水大全体の運営費等に関して効率性が確立されているのか説明を求めた。
(運営会議)
 耕洋丸・天鷹丸いずれも乗船定員を充足して運行されている。しかも、本校には航海と機関の両分野の教育が可能であり、練習船に両分野の学生が同時に乗船できるため、海技士教育に理想的な環境が備わっている。 他大学練習船の定員充足率や教育分野体制と比較して水大は優れている。また、これら航海・機関関連学科や他学科を含めた本校卒業生の水産関係企業への就職率は目標である75%を超えている。 本校存立の意義を十分に発揮している。 ただ、本校運営費の水準については水産教育の特質について社会的理解が得られるように努めたい。 なお、学生1人あたりの本校運営費は、他の水産系大学等と比較して、とりわけ高いものではないことを強調しておきたい。

(3)水大生の人間力・気力の向上について
(滄溟)
 水大生が全国の大学生の中で強みを持てるのは人間力・気力の向上と思う。 この点への対応について説明を求めた。
(運営会議)
 文科省が近頃社会人となる学生について「基礎力の不足」とか「学士力の不足」を指摘している。 これは、挨拶ができない、忍耐力がない、責任感が軽いなど、いわゆる生活をする上での基礎力がない学生の増加を意味している。 ここでいう人間力・気力は、それに相当するものと考える。 現在全国の大学は、文科省の指摘するような学生を多く受け入れている現況にある。 本校もこうした気質を持った学生が増加していると認識している。 こうした学生の気質を改善し、なおかつ水大生としての差別化を図るために、キャリア教育(実学教育)がとりわけ重要と考えている。 これは文科省が所管大学に求めた対策でもある。 実学教育の重視という点では、本校には文科省系大学と違って、これまでの長い歴史がある。 ここを強みとして、これまで以上の教育を図る予定である。 今年度(H22年)4月に「実習教育センター」を設置したのは、実学教育を充実させてより効率的に行うことを企図したものである。
 なお、留意していただきたいのは、実学教育の重視によって、学際的教育を軽視しているわけではないことである。本校教員は、外部評価機関によって5年ごとに業績評価が行われており、文科省系大学教員と遜色ない研究水準にある。 また授業内容もJABEE(日本技術者教育認定機構)によって一定水準にあることが平成20年度より認定されている。 さらに、海技士免許の取得に関係のない学科学生にも練習船に乗船する実習を必修化している。
 こうした教育によって水大生としての強みを出せるよう努めている。

(4)情報発信、水大の対外的PRについて
(滄溟)
 水大生の評価を高めるためにも、水大が広く認識される必要がある。 外部への情報発信の現状について説明を求めた。
(運営会議)
 マスコミ(新聞、テレビ、ラジオ、その他)からの取材を受けるだけではなく、近年では本校側から上記機関への売り込みも積極的に行っており、近年マスコミに取り上げられる回数は増加している。 他方、受験生確保、さらには増大させることも重要であり、そのための高校訪問の積極的実施や入試制度の改善を行っている。
 入試制度における主な改善点は、従来B推薦の応募条件に課していた評価点制の廃止、一般入試では生物生産学科への受験科目における選択科目に国語を追加、それに試験会場に福岡を追加して、東京、大阪、福岡の3会場にしたことである。 昨年の受験者総数は近年では最高となっており、前述の改善が多少貢献しているのではと考えている。 なお、高校訪問先にある西日本偏向傾向に関しては、今後の受験生の状況を勘案して柔軟に対応したいと考えている。

 以上のような事項について話し合いが持たれ、またその中でOBとしての要望も出された。
 最後に葵会長が挨拶や礼節に配慮できる質の高い学生を育成できる水大となることを期待する旨を述べ、本会終了となった。
 有志諸氏の想いの熱さもあって、運営会議メンバーの方々には予定時間を超えてご出席いただいた。 ここに心より感謝する次第である。
                                             (文責:会務理事 板倉信明)